【感想】「染付 -麗しの青- (絵画) 冬の風景 そして春へ」(三木美術館、会期:2020/11/18~2021/2/28)レビュー

三木美術館で開催されている「染付 -麗しの青- (絵画) 冬の風景 そして春へ」(会期:2020年11月18日~2021年2月28日)に行ってきました。

染付 -麗しの青- (絵画) 冬の風景 そして春へ染付 -麗しの青- (絵画) 冬の風景 そして春へ

 

展覧会の構成は特にありませんが、姫路生まれの東山焼(とうざんやき)を中心にした藍色が美しい染付の陶磁器と、冬から春への移ろいゆく季節の風景を描いた絵画が展示されていました。

 

配布資料には、「染付というのは、釉下彩(施釉前の絵付)による加飾技法のひとつ」と記載されています。白素地に酸化コバルトを主成分とする絵具で絵付けをし、その後で透明釉を施して焼成すると青藍色の文様に発色した陶磁器が出来上がる、という訳です。

 

この展覧会では、姫路市飾東郡東山村で始まった東山焼きの作品を中心に展示されていました。透明釉自体が少し青みがかっていて、染付の青絵柄と美しく調和していました。

 

「模様より模様を造るべからず」を信条とした富本憲吉の《染付角瓶》は、文字を模様にアレンジした作品で見事な出来栄えでした。また、その弟子にあたる近藤悠三の作品も展示されていました。

 

一方、絵画は冬から春へと移ろいゆく情景を描いた作品が展示されていました。特に印象的な作品としては、雄大な富士とその手前に梅の花が咲いている様子を描いた那波多目功一《湖上富士》や牧進《楽栄》、黒の背景に白い桜が咲き誇っている加山又造《櫻》などがありました。

 

また、雪が降り積もった朝に日が昇る様子を描いた福田眉仙《雪中旭光図》や黒く激しい描線が心に迫ってくるベルナール・ビュッフェ《ヒヤシンス》《LA BRETABNE》なども良い作品ですね。

 

他に、川合玉堂、堂本印象、松尾敏男、向井潤吉、福井良之助、奥田元宋、中島康正、香月泰男、松岡映丘といった画家たちの作品も展示されていました。

 

ちなみに今回は、別の意味で楽しみにしていたことがありました。それは、三木美術館で開催されていたプレゼントキャンペーンで、期間中(2020年6月3日~12月25日)に3回来館しますと、備前焼作家の伊勢崎競氏が手掛けた三木美術館オリジナルの干支(丑)ミニ置物がもらえるという企画です。

 

上記の写真のように三木美術館と印刷された帯付きの茶色のケースに入った小さな置物で、サイズは35×50×35 mmくらいの可愛い牛の姿をした置物でした。来年の干支「丑」に因んだ作品になっています。これで、良い年を迎えられそうです(笑)。

2020年12月06日|ブログのカテゴリー:展覧会レビュー