【感想】「こわくて、たのしいスイスの絵本展~クライドルフ、フィッシャー、ホフマンの世界~」(神戸ファッション美術館、会期:2021/1/30~3/28)レビュー

神戸ファッション美術館で開催されている「こわくて、たのしいスイスの絵本展~クライドルフ、フィッシャー、ホフマンの世界~」(会期:2021年1月30日~3月28日)に行ってきました。

神戸ファッション美術館こわくて、たのしいスイスの絵本展~クライドルフ、フィッシャー、ホフマンの世界~

 

この展覧会は、スイスの絵本作家である、エルンスト・クライドルフ(1863-1956)、ハンス・フィッシャー(1909-1958)、フェリックス・ホフマン(1911- 1975)の作品が一堂に会した内容になっています。尚、展示作品は、長野県の「小さな絵本美術館」に所蔵されている作品から構成されています。

 

展覧会の構成は以下のとおりです。

グリム童話の世界
・ハンス・フィッシャー 『ブレーメンのおんがくたい』『メルヘンの絵本』
・フェリックス・ホフマン 『おおかみと七ひきのこやぎ』『グリムの昔話』『ねむりひめ』
・エルンスト・クライドルフ 『ふゆのはなし』(白雪姫との別れ)
スイスの世界
・エルンスト・クライドルフ 『花のメルヘン』『庭の夢』『花を棲みかに(春の使い)』
・フェリックス・ホフマン 『スイスの伝説』
・ハンス・フィッシャー 『こねこのぴっち』『たんじょうび』

 

「グリム童話の世界」では、おなじみの作品の挿絵が展示されていました。チラシの表紙にもなっている、フェリックス・ホフマン 『おおかみと七ひきのこやぎ』のワンシーン(お母さんやぎが手前に立ち、こやぎたちが並んで寝ているシーン)の絵が物語のどの場面を描いたものか分かったときに、思わずホッとしてしまいました。

 

エルンスト・クライドルフ 『ふゆのはなし』は、絵に味わいがあり、実に上手く描かれていました。また、エルンスト・クライドルフの作品群では、花の擬人化が見事に表現されていて、まさにメルヘンの世界そのものでした。

 

三者三様の表現ですが、それぞれに魅力ある作品に仕上がっていることがわかります。絵本関連の作品ですので、大型の作品はありませんが、1枚1枚、物語をなぞりながら絵を味わう経験ができるのも、絵本展ならではの魅力ですね。

 

展覧会用の図録はありませんでしたが、小さな絵本美術館から出版されている、クライドルフ、フィッシャー、ホフマンの絵本解説本が各々販売されていました。

2021年03月21日|ブログのカテゴリー:2021年投稿, 展覧会レビュー