【感想】「人とアートの無限の繋がり1+1+1・・・展」(あさご芸術の森美術館、2019/5/18~7/7)レビュー

あさご芸術の森美術館では、「淀井敏夫展~伝え、紡いだもの~」と並行して「人とアートの無限の繋がり1+1+1・・・展」が開催されています。こちらの展覧会も開催期間は2019年5月18日から7月7日で、会場は2階企画展示室になります。

あさご芸術の森美術館あさご芸術の森美術館

 

この企画展は、これまであさご芸術の森美術館で開催されてきた様々な企画(野外彫刻展・あさご芸術の森大賞展・あさごアートコンペティション等)をきっかけに当美術館と繋がってきた作家たちの芸術交流を振り返り、今後の更なる発展を期する試みとなっています。これは、生前の淀井敏夫が希望していた美術館のあり方を再確認する企画展でもあるでしょう。

 

◆淀井敏夫談
「僕の彫刻だけを展示するのではなく、さまざまな企画展や芸術イベントを通して、作家同士が交流できるサロンのような美術館にしてほしい」

 

「人とアートの無限の繋がり1+1+1・・・展」では、公募展や企画展に参加された方々や、淀井家、審査員、講師の方々の作品が各1点づつ展示されていました。他の展覧会等で目にした作家の作品もいくつかありました。

 

今回、特に私の印象に残った作品としては、木に垂直な白い棒が幾つも生えている姿が何とも不思議な「meta -1+1+1-」(田邊茉子)、赤いグラデーションの影が心地よい「不在の空間」(コウノ真理)、あまりのリアルさに圧倒される「重源上人坐像模刻」(村上力)、眺めているだけで楽しい気分になれる「フクキタレ」(居上真人)、赤と青の色彩が美しい「生と空間」(藤原洋次郎)、鯉の躍動感あふれる様子が見事な「池で遊ぶ光」(南光和玄)、作品の発想が面白い「石の脱皮」(長岡國人)、色彩の交差が美しい「ある彫像へのアプローチ」(淀井由利子)などがありました。

 

それぞれの作家が、普段は様々な個展を開催しながら、こうした場で一堂に会する光景は何とも楽しいですね。作品を通して新たに出会った作家さんたちの個展があればまた見たいと思った一日でした。

 

2019年06月19日