泉屋博古館で開催されている「中国青銅器の時代」（会期：2021年9月11日～10月24日）を鑑賞しました。これは、泉屋博古館が誇る住友コレクションの中心となる青銅器コレクション展です。

展覧会の構成は以下のとおりです。

第1展示室　青銅器名品展
第2展示室　青銅器の種類－豪華な道具たち－
第3展示室　中国古代の説話と文様

第1展示室の古代中国青銅器は、この展覧会のメイン展示となります。ここでは、紀元前12～11世紀に制作された鋳造器《夔神鼓》から始まり、商や西周時代を中心に、幅広い時代の古代中国青銅器が展示されていました。鳥やゾウ、虎などの動物をかたどった装飾が特徴的ですね。

当時の鋳造技術の高さを遺憾なく発揮した器の数々が、観るものを圧倒します。シンプルな造形美ではなく、あらゆるものを詰め込んだ重層的な造形美になっています。

第2展示室では、青銅器の種類・用途という観点から様々な青銅器が展示されていました。実用品から儀礼用の器まで、幅広く紹介されています。各展示室では、詳しい解説シートも配布されており、古代青銅器の教養が学べるように工夫されています。

第3展示室は、中国古代の説話と文様を扱った青銅器や青銅鏡が展示されていました。ここでは、古代中国の説話とそれらを表現した文様から、青銅器を読み解いています。いかにも古代中国といった不可思議な世界観が楽しめる内容になっています。ここでは、解説ビデオの上映もされていました。

なかなか奥深く、さっと通りすぎるには惜しい内容ですね。学芸員の解説を聞きながらゆっくり鑑賞できれば、その魅力も存分に味わえると思います。ただ、写真撮影が可能ですので、とりあえず写真を撮っておいて、自宅で解説シートを観ながらじっくり楽しむこともできます。