【感想】「八代 清水六兵衞展―陶を構築する」(兵庫陶芸美術館、会期:2021/12/11~2022/2/27)レビュー

展覧会の概要

兵庫陶芸美術館で開催されている、2021年度著名作家招聘事業×テーマ展「八代 清水六兵衞展―陶を構築する」(会期:2021年12月11日~2022年2月27日)に行ってきました。

 

この展覧会は、兵庫陶芸美術館が2006年から定期的に開催している、国内外で活躍する著名な作家を招聘するテーマ展で、今回は八代 清水六兵衞氏(1954-)の作品が展示されています。

兵庫陶芸美術館「八代 清水六兵衞展―陶を構築する」兵庫陶芸美術館「八代 清水六兵衞展―陶を構築する」

 

展覧会の構成

1996年~2021年に制作された作品が展示されています。

 

感想①「単品作品」

八代 清水六兵衞氏の作品は、設計図面に合わせて正確にカットした土の板を結合させて焼成して制作されています。焼成の際にできる自然なゆがみが作品の魅力につながっています。

 

土の板に様々な切り込みを入れることで、たわみの程度も異なり、作品の内部空間も作品の一部になっています。そうした姿を比較しながら楽しめる作品になっていました。単品の作品であっても、他の作品との関係性を考えながら鑑賞できる作品群でした。

八代 清水六兵衞《輝白陶姿》&《黒泑陶姿》シリーズ

(八代 清水六兵衞《輝白陶姿》&《黒泑陶姿》シリーズ)

 

感想②「相対形象シリーズ」

相対形象シリーズは、不思議な心地よさを感じました。垂直に配置された方形のパーツに対して、水平に置かれた板がしなやかにたわみ、作品を上下の世界を分けていました。

 

思わず、下の部分を覗き込みたくなる衝動に駆られます。心地よい湾曲が生み出す優しさと、シャープな方形、平面に開けられた穴が妙なコラボレーションをしていました。

八代 清水六兵衞《相対形象》シリーズ

八代 清水六兵衞《相対形象》シリーズ

 

感想③「大型作品」

展示会場のメインを占めていたのが後半の大型作品でした。大型作品といっても単品の大型作品ではなく、方形や円柱形等のパーツを組み合わせることで完成する大型作品です。まさに、サブタイトルにもなっている“陶を構築した”作品でした。

 

公式YouTubeに、会場の展示作業の様子が公開されていますが、この映像を見た後で、実際に作品を観てみると面白いですね。また、白く輝くオパールラスター釉は実に美しいですね。

 

⇒ 展示作業(公式YouTube)

八代 清水六兵衞《Relation》シリーズ他

(八代 清水六兵衞《Relation》シリーズ他)

 

感想メモ

この展覧会は、特別展「やきものの模様-動植物を中心に-」と鑑賞券が共通になっていますので、お得に鑑賞できます。また、パンフレット的な図録(300円)も販売されていますので、鑑賞の記念に良いですね。

 

展覧会情報

八代 清水六兵衞展―陶を構築する

会場:兵庫陶芸美術館
会期:2021年12月11日(土)~2022年2月27日(日)
休館日:月曜日、12月31日(金)、1月1日(土・祝) ただし、1月3日(月)、1月10日(月・祝)は開館し、1月4日(火)、1月11日(火)は休館
観覧料:600円(特別展の料金に含まれる)
音声ガイド:なし
写真撮影:可能
図録:300円
Web:兵庫陶芸美術館「八代 清水六兵衞展―陶を構築する」
2022年02月07日|ブログのカテゴリー:2022年投稿, 展覧会レビュー