【感想】「常設展~夏~」(三木市立堀光美術館、2019年)レビュー

三木市立堀光美術館で開催されている、企画展「うまれたての光 勝部梓 木彫展」と同時に、2階展示室では「常設展~夏~」が開催されていました。こちらも無料だったので、気軽に覗いて見たのですが、なかなか良い作品が揃っていました。

三木市立堀光美術館「常設展~夏~」

 

まず、この美術館の名前の由来でもある堀光コレクションからは、以下の作家の作品が一点ずつ(山口華楊のみ2点)展示されていました。

 

堂本印象(1891-1975)「武士金彩壷の花」
平賀亀祐(1889-1971)「鰯」
沈子(?)「パンダ」
山口華楊(1899-1984)「菖蒲」「鯉」
奥村土牛(1889-1990)「かれい」
北村西望(1884-1987)「自由の女神」
グレミツキフ(1916-1991)「ライラック」
伊藤悌三(1907-1998)「裸婦」
フレデリック・ベーコン・バーウェル(1831-1922)「花」

 

◆名久井十九三「女像」(美術館の庭に設置)

名久井十九三「女像」(三木市立堀光美術館)

 

こうして見ると、堀光コレクションは明治生まれの人気作家の作品が多いようですね。ちなみに、北村西望(きたむら せいぼう)は、長崎平和公園に設置されているあの有名な「長崎平和祈念像」を制作された方です。ここでは「自由の女神」という彫刻が展示されていましたが、今にも動き出しそうな迫力は流石です。

 

他の展示作品の中では、石阪春生「立つ」や井上よう子「Linked Ocean~Kobe」「Linked Ocean~Denmark」が特に印象に残りました。小磯良平に師事されていた石阪春生(いしざか はるお)さんは、その独特で不思議な世界観が魅力ですが、ここで観れるとはちょっと意外な気がしました。

 

一方、井上よう子さんの作品は今回始めて観ましたが、ブルーを基調とした神秘的な作品で、これからも注目していきたいですね。他にも、村上暁人のカッパを描いた版画「明鏡止水図」など、魅力的が作品が並んでいました。

 

2019年07月02日