【感想】「フィンランド陶芸 芸術家たちのユートピア―コレクション・カッコネン」(大阪市立東洋陶磁美術館、2019/7/13~10/14)レビュー

大阪市立東洋陶磁美術館で開催されている、日本フィンランド外交関係樹立100周年記念特別展「フィンランド陶芸 芸術家たちのユートピア―コレクション・カッコネン」(会期:2019年7月13日~10月14日)に行ってきました。

大阪市立東洋陶磁美術館「フィンランド陶芸 芸術家たちのユートピア―コレクション・カッコネン」

 

この展覧会では、フィンランド工芸の世界的に著名なコレクターであるキュオスティ・カッコネン氏の所蔵作品が展示されています。館内では他に、テキスタイル・ブランドとして知られるマリメッコによる特別展「マリメッコ・スピリッツ フィンランド・ミーツ・ジャパン」も同時開催されており、常設展示もあったりしてかなり混沌とした状況でした。

 

何度か足を運べば館内の構造とかが把握できて効率よく鑑賞できるようになると思いますが、私は初めてだったのでかなり戸惑ってしまいました。平日(火曜日)だったにも関わらず来館者の数も多く、陶芸も人気なんだと改めて思い知らされました。さらに、館内作品の撮影がすべて許可されていたので、多くの方がスマホで写真撮影をしていました。

 

こうした状況下でルート・ブリュックの作品を観た瞬間、思わず感嘆の声をあげてしまいました。その素朴な絵と陶板特有の奥深くて美しい色合いは見事としか言いようがなく、幸せな気持ちで満たされました。まさに、今日一日のピークを迎えた気分でした。写真にも数多く納めましたが、実物の魅力をしっかり心に刻もうと、かなり執拗に見つめてしまいました。

 

ルート・ブリュックの陶板以外では、ミハエル・シルキンの動物をモチーフとした彫像や、ビルゲル・カイピアイネンの装飾的な作品、ビーズバードなどが印象に残りました。他にも、トイニ・ムオナの抽象的な花瓶やアルフレッド・ウィリアム・フィンチの鮮やかな色使いの花瓶など、魅力的な作品が目白押しのフィンランド陶芸でした。

 

2019年08月02日