【感想】「竹工芸名品展:ニューヨークのアビー・コレクション-メトロポリタン美術館所蔵」(大阪市立東洋陶磁美術館、2019/12/21~2020/4/12)レビュー

大阪市立東洋陶磁美術館で開催されている「竹工芸名品展:ニューヨークのアビー・コレクション-メトロポリタン美術館所蔵」(会期:2019年12月21日~2020年4月12日)に行ってきました。この展覧会は、2017年から2018年にかけてメトロポリタン美術館で開催された“Japanese Bamboo Art: The Abbey Collection”(「日本の竹工芸:アビー・コレクション」展)を再構成した内容で、世界屈指のコレクションとして知られる、ダイアン&アーサー・アビー夫妻が収集した竹工芸を中心としています。

大阪市立東洋陶磁美術館「竹工芸名品展:ニューヨークのアビー・コレクション-メトロポリタン美術館所蔵」

 

大阪会場では、美術館の吹き抜けの空間を活かした、四代田辺竹雲斎氏(1973-)によって制作された巨大な竹のインスタレーションが設置されており、非常に印象的でした。展示室ては、アビー・コレクションの竹工芸だけでなく、形が似ている館蔵品の陶磁器も並べて展示されていました。

大阪市立東洋陶磁美術館「竹工芸名品展:ニューヨークのアビー・コレクション-メトロポリタン美術館所蔵」

 

出品リストの配布がなかったので正確なことはわかりませんが、特に章立てのような展示構成はなかったと思います。ちなみに、大阪市立東洋陶磁美術館では、特別展に使用する展示室が分かれていて、その間に中国陶磁室や韓国陶磁室があるため、純粋に特別展のみを鑑賞する方はほとんどいないと思います。

 

そのため、漠然と鑑賞していると、今観ているのが特別展なのか、あるいは中国陶磁なのか、韓国陶磁なのかわからなくなることがあります。さらに、今回は、特集展「受贈記念 木村盛康・天目のきらめき」も同時開催されていたので、より混沌としていました。

 

さて、特別展となる「竹工芸名品展」に関して言えば、竹製品そのものは日本人にとって馴染みがあるので、籠のような工芸品よりも、デザインを重視したオブジェ的な竹工芸の方が新鮮で興味深く感じました。竹という素材を活かしつつ、匠の技が組み合わさった日本ならではの精巧な工芸品の数々で、斬新なデザインと相まって、興味深く鑑賞することができました。

大阪市立東洋陶磁美術館「竹工芸名品展:ニューヨークのアビー・コレクション-メトロポリタン美術館所蔵」大阪市立東洋陶磁美術館「竹工芸名品展:ニューヨークのアビー・コレクション-メトロポリタン美術館所蔵」

 

会場では、フラッシュを焚かなければ写真撮影が許可されていたので、ほぼすべての作品を写真に収めることができました。勿論、写真写りの美しさという点では、図録の方が勝っているのは間違いありませんが、鑑賞の記念という意味では記憶に残りやすくなるように思います。ただし、写真撮影に集中しすぎて実物の鑑賞を怠ってしまうと、本末転倒になってしまうので、私は最初にじっくり鑑賞してから、後でまとめて写真に収めるようにしました。

2020年01月06日|ブログのカテゴリー:2020年投稿, 展覧会レビュー