【感想】「華麗なる日本の美展」(山王美術館、2019/9/2~2020/1/31)レビュー

山王(さんのう)美術館で開催されている、山王美術館 10周年記念 コレクションでつづる「華麗なる日本の美展」(会期:2019年9月2日~2020年1月31日)に行ってきました。山王美術館は、ホテルモントレグラスミア大阪内に併設された美術館で、ホテルの22階に位置します。アンティーク家具や絵画など、豪華な雰囲気が漂うフロントを抜けると山王美術館の入口があります。

山王美術館「華麗なる日本の美展」山王美術館「華麗なる日本の美展」

 

リュックを背負って受付に行くと、受付の方が向かいのロッカーまで案内してくれます。まさに、ホテル的なサービス感を味わえる美術館です。展示室は、洋画展示室・日本画展示室・陶磁器展示室の3室があり、今回の展覧会はそのうちの2室が利用され、残りの1室には陶磁器が展示されていました。

 

展示室1では、横山大観から始まり、上村松園、橋本関雪、川合玉堂、前田青邨、上村淳之、上村松篁、川端龍子、加山又造、伊東深水の作品が並んでいました。全体的に良い作品を収集されている印象で、私の好みとも一致していました。

 

近代美人画の大家・上村松園(1875-1949)の息子である上村松篁(1902-2001)と、さらに上村松篁の息子である上村淳之(1933-)の花鳥画が並べて展示されていましたが、流石に上手いですね。美人画から花鳥画へと、親子で描く対象は代わっていますが、どこかバックグラウンドで共通しているものがありそうです。

 

展示室2では、堂本印象、横山大観、小林古径、村上華岳、杉山寧、東山魁夷が登場します。堂本印象(1891-1975)の作品《水郷初夏》は、色使いが美しくどこか幻想的な雰囲気が漂っていました。私の中で、堂本印象のイメージが少し変わったような気がします。そして、杉山寧(やすし、1909-1993)の作品も独特の世界観があり、今後注目しようと思いました。

 

陶磁器展示室には、永楽善五郎 十六代即全、十一代保全、樂吉左衞門 五代宗入、十一代慶入、金重陶陽などの水指や茶碗が展示されていました。

 

山王美術館では、これまで毎週土・日が休館日という、美術館としては変則的な開館日になっていましたが、2020年3月2日から開催される「春・夏季コレクション展2020」から、休館日が毎週月~水曜日に変更になるようです。土日しか休暇を取れない方にとっては、朗報ですね。

2020年01月07日|ブログのカテゴリー:2020年投稿, 展覧会レビュー