【感想】小磯記念美術館美術講座「聖フランシスコ・ザビエル像の謎を読み解く」(神戸市立博物館 学芸課担当係長・塚原晃)に参加

神戸市立小磯記念美術館で開催されている美術講座に参加しました。今回は、2019年度美術講座の第5回で、神戸市立博物館の学芸課担当係長・塚原晃さんによる「聖フランシスコ・ザビエル像の謎を読み解く」でした。

 

今回の美術講座では、社会の教科書でも有名な、あの「聖フランシスコ・ザビエル像」にまつわる貴重な話が聞けました。普段何気なく目にしていた作品ですが、なかなか奥深い意味が隠されていたようです。

 

今回の主役である「聖フランシスコ・ザビエル像」は神戸市立博物館に収蔵されており、当館では、2019年11月のリニューアルオープンに伴い「ザビエル像」専用の展示室が設けられ、国内随一のコンテンツと共に来館者を待っている、とのことでした。尚、「ザビエル像」に、関しては、作品保護の観点から本物が常時展示されているわけではなく、基本的にはレプリカが展示されているようです。

 

美術講座では、ザビエル像が大阪で発見された由来や、それが神戸にやってきた経緯についても詳しく解説されていました。そして、フランシスコ・ザビエルについての紹介に続き、「ザビエル像」そのものにまつわる謎に迫ります。

 

ザビエルと共にイエズス会を創設したイグナチオ・デ・ロヨラについても説明があり、特に彼の『霊操』という作品を紐解きながらの解説もありました。「ザビエル像」に描かれた、十字架や燃える心臓、ザビエルが叫んでいる「SATIS EST DNE SATIS EST」の意味、作品の下部に記されたサクラメントなどについて詳しく解説されていました。

 

初めて聞く内容も多く、大変参考になりました。ザビエルが叫んだ「SATIS EST DNE SATIS EST(充分です。主よ、充分です)」という意味は、しばしば、瞑想を通して主の御光で満たされ恍惚状態になり、体も熱く火照っていたザビエルの口癖でもあったと、その典拠を示しながら解説されていました。

 

まもなく、「コートールド美術館展」(会期:2020年3月28日~6月21日)が神戸市立博物館で開催される予定なので、そのときには「ザビエル像」の専用展示室にも足を運び、しっかりと学んで参りたいと思っています。

2020年02月24日|ブログのカテゴリー:2020年投稿, イベントレビュー