【書評】『国立美術館ガイド4 国立国際美術館の名作』(岡崎素子著)のご紹介!

日本には国立美術館として、東京国立近代美術館、国立西洋美術館、国立映画アーカイブ、国立新美術館、京都国立近代美術館、国立国際美術館の全6館があります。このうち、国立映画アーカイブは映画専門機関なので従来の美術館とは異なります。また、国立新美術館は、展示スペースとしての美術館なのでコレクション(所蔵作品)を持っていません。

 

従って、通常のコレクションを持つ美術館としては、東京国立近代美術館、国立西洋美術館、京都国立近代美術館、国立国際美術館の4館になります。今回、この4館を紹介するための公式ガイドブックが登場しました。日本語と英語で併記されているので、日本人のためというより、簡単に入手できる外国人向けの公式ガイドブックの意味合いがあるのかもしれません。

 

とは言っても、サイズ・価格・内容という観点から見て、日本の美術館ファンにとっても非常にシンプルでわかりやすいガイドブックになっているのが特徴です。今回は、このシリーズのなかの国立国際美術館(大阪府)の公式ガイドブックを見ておきます。

 

全104ページで、本体価格は1,200円です。監修は、国立国際美術館の山梨俊夫氏、中井康之氏、武本彩子氏の3名が担当しています。このガイドブックの構成(目次)は次のとおりです。

『国立美術館ガイド4 国立国際美術館の名作』(岡崎素子著) (PR)

 

<目次>

国立国際美術館について
・所蔵作品(コレクションについて)
・美術館の概要
・ご利用案内
・館内のご案内
・来館案内

現代美術の起点(6作品)
現代の海外アーティスト(22作品)
現代日本のアーティスト(17作品)
今を生きるアート(29作品)

作品リスト
著作権一覧
日本の国立美術館

 

本書は、国立国際美術館の利用案内と、代表的な所蔵作品の解説付き紹介とからなります。所蔵作品から全部で74作品が紹介されていますが、これを見ると国立国際美術館の所蔵作品の傾向性がおおよそつかめると思います。

 

紹介されている作品の図版も大きく、解説もわかりやすいのでガイドブックとしてもお勧めですし、簡単な所蔵目録としても利用できそうです。そして、表紙の手触り感の心地良さもポイントですね。

 

2019年06月20日