展覧会場で筆記用具は使えますか?

鉛筆ならOKです。

展覧会場でメモを取るために筆記用具を使うことはできるのでしょうか? 実際、会場内でメモをとっている方を見かけることは、案外少ないように感じます。しかし、気になる作家や作品名、感想などはその場で記録しておかないと忘れてしまうことも事実です。

 

図録が販売されている展覧会であれば、それを見ると後でもチェックできるのですが、図録が販売されていなかったり、購入しなかったりした場合には、メモ書きをしておけば良かったと後悔することもあります。

 

では、展示会場への筆記用具の持ち込みは可能なのでしょうか? ここで、各美術館のホームページに記載されている、筆記用具に関する注意事項を抜粋しておきましょう。

 

◆三菱一号館美術館
Q.館内に筆記用具を持ちこむことはできますか?
A.鉛筆以外の筆記用具の持ちこみはできません。メモをする場合には鉛筆をご使用ください。(シャープペンの芯の飛散や、ボールペンのインクなどで作品が傷つけられないようにするため、ご協力をお願いしております。鉛筆の用意もございますので、お近くのスタッフにお声掛けください。)

◆東京都美術館
Q. 展示室内でメモを取ることはできますか?
A. 鉛筆を使用してメモを取ることはできますが、作品を汚す恐れのあるボールペンや万年筆、シャープペンシルのご利用はできません。貸出用の鉛筆をご希望の方は、展示室入口や展示室内のスタッフにお申し付けください。

◆京都国立近代美術館
Q: 会場内でメモはできますか?
A: 簡単なメモは構いませんが、鉛筆のご利用をお願いしております(シャープペンシル、ボールペン、万年筆、毛筆等のご利用はお控えください)。なお、メモの際には、壁や展示ケース等にメモ用紙を当てないようにしていただくとともに、他のお客様の迷惑にならないようにご配慮ください。

◆森美術館、森アーツセンターギャラリー
以下の行為はご遠慮ください。
・鉛筆以外の筆記用具の使用

◆美術館「えき」KYOTO
模写ならびにインク類(万年筆、毛筆、ボールペンなど)の使用はご遠慮ください。鉛筆の貸し出しを行っております。ご希望の方は入口でお申しつけください。

◆大阪市立美術館
展示品を汚損する可能性のあるボールペン・万年筆・毛筆などの使用はご遠慮願います。

◆あべのハルカス美術館
鉛筆以外の筆記用具の使用はご遠慮ください。

 

全ての美術館のホームページに筆記用具に関する注意書きが掲載されているわけではありませんが、基本的に鉛筆以外の筆記用具の使用はできないと考えておきましょう。

 

その理由としては、ボールペンなどのインク系の筆記用具は作品を汚損する可能性があるということが挙げられます。勿論、鉛筆でも作品を汚損する可能性はありますが、そこまで厳しくすると鑑賞者も困るだろうということなのでしょう。

 

実際に展覧会場で鉛筆を使用する際は、監視員の目視チェックが入ります。従って、使用する鉛筆は、遠目でもひと目で鉛筆だとわかるシンプルな鉛筆を使うか、美術館で貸し出している鉛筆を使いましょう。無駄にオシャレな鉛筆を使っていると、高級ボールペンと間違われることがありますので要注意です。大きな美術館では展示室ごとに異なる監視員がいるので、その都度疑いの眼を向かられることにもなりかねません。

 

そうは言っても、やはりオシャレな鉛筆にこだわりたい方は、画材も扱っているSTAEDTLER(ステッドラー)の鉛筆はいかがでしょうか? この鉛筆(ステッドラー ノリス エコ鉛筆2本セットHB)は、ライトグリーンのストライプが美しく、キャップと消しゴムも付いています。ただし、消しゴムは消しカスが落ちるので美術館内では使用しない方が良いでしょう。

また混雑しているときに、立ち止まってメモをとっていると周りの迷惑になることもありますので、メモを取る場所にも気を使いたいところです。私の場合は、休憩用の椅子があるときは、そこに座って、展示室の入口で配布されている出品リストを見ながらメモを取ることが多いですね。