【感想】「生き物たちのいぶき」(三木美術館、2020/8/19~11/15)レビュー

三木美術館で開催されている「生き物たちのいぶき」(会期:2020年8月19日~11月15日)に行ってきました。この展覧会では、生き物たちが描かれた絵画や陶磁器が紹介されていました。

生き物たちのいぶき

 

絵画では、牧進さんの作品が最も多く全6点ありました。《嘉日双鱗図》という大型の作品は、常設展示的な位置づけでいつも展示されていますが、それ以外の作品も今回楽しむことができました。

 

印象的な作品としては、杉山寧の《果樹小禽》と《溍》がありました。水紋の描き方など、独特の世界観が美しいですね。また、平山郁夫さんの《月光砂漠らくだ行く》という作品では、月光に照らされた人の周囲にも、月光が後光のように描かれており見事な雰囲気を醸し出していました。

 

その他、常設展示されている東郷青児《花をつむ女達》や那波多目功一《白耀》以外にも、川合玉堂や棟方志功、上村淳之、橋本関雪、松岡映丘、伊東深水、香月泰男、石踊達哉といった方々の作品が展示されていました。

 

工芸関連では、まずチラシに掲載されている中里太郎右衛門(十三代)《叩き唐津翡翠掻落し染付魚文壺》の青が美しく、トビウオを描くというセンスもなかなかです。そして、特に気に入った作品として、武腰泰山(四代)《山蝉の絵扁壺》がありました。ヤマセミという奇抜な鳥を描いた見事な作品です。

 

他に、蝶を彫り込んだ漆作品・音丸耕堂《彫漆電信草菓子器》も美しい作品でした。隠﨑隆一さんの備前焼作品は常設展示になっていますが、いつ見ても良いですね。

2020年10月21日|ブログのカテゴリー:2020年投稿, 展覧会レビュー