【感想】上映会「私の前に道はなかった ~篠田桃紅 105歳の軌跡~」(香雪美術館、2019/8/18)に参加!

香雪美術館で開催されている「106歳を生きる 篠田桃紅 とどめ得ぬもの 墨のいろ 心のかたち」(会期:2019年8月1日~10月14日)では、会期中の土・日・祝日限定で上映会「私の前に道はなかった ~篠田桃紅 105歳の軌跡~」が開催されています。私は、たいてい展覧会へは空いている平日を狙って行くことが多いのですが、今回は上映会にも参加したくて日曜日に行きました。

香雪美術館 上映会「私の前に道はなかった ~篠田桃紅 105歳の軌跡~」

香雪美術館というのは、朝日新聞社の創業者・村山龍平が蒐集した日本、東洋の古美術コレクションなどを収藏する美術館で、国指定重要文化財の旧村山家住宅を利用しています。通常は、美術館入口から入ってすぐ左手にある香雪美術館のみを利用しています。

 

今回の上映会は、香雪美術館の前庭にある立礼茶室「梅園」で開催されていました。上映会以外では、講演会と茶会をあわせた「梅園会」が年に数回ここで開催されているようです。因みに、立礼(りゅうれい)茶室というのは、正座ではなく、イスに座ってお茶を飲む茶室のことです。また、毎年春と秋には「庭園見学会」が開催され、普段見ることができない庭園の外観が公開されています。

 

◆入口門の奥に薄っすら見える建物が「梅園」

香雪美術館 立礼茶室「梅園」

さて、今回の上映会では、茶室の前方にスクリーンがセットされ、プロジェクターで映していました。私は午後2時開始の部で参加しましたが、約20名程度の参加者だったでしょうか。この部屋の定員が50名となっていましたが、流石に50名入るとかなり窮屈な状態だろうと思います。

 

参加は無料ですが、展覧会の当日チケットの半券が必要になります。美術館に入館するときにチケットの半券に日付のスタンプを押してもらえるので、入口でそれを見せると「梅園」にも入れます。また、上映会の参加後に再び美術館へ戻って鑑賞することも可能です。

 

上映されていた「私の前に道はなかった ~篠田桃紅 105歳の軌跡~」という作品は、約25分の内容で昨年の春に公開された映像のようです。篠田桃紅さんの人となりがよく分かる内容になっていました。日本では「根無し草」と称され、なかなか認められなかった篠田さんの作品が、戦後日本に進駐していたアメリカ人に認められ渡米することになります。

 

ある意味で芸術家らしいとも言える尖った性格の篠田さんですが、群れることを嫌い非常に独立心が強い様子が映像からも伺えます。一方で、女性としてだけでなく人間としてもカッコいい生き方を貫かれています。

 

インタビューをしている方が、「弟子は取らないんですか?」という質問をされていましたが、それに対する答えが流石としか言いようがありませんでした。とにかく、こうした日本人女性がいるということ自体が、同じ日本人として誇らしい気がしました。上映会への参加もおすすめです。

2019年08月22日|ブログのカテゴリー:2019年投稿, イベントレビュー