【感想】「吉祥 2020年代の始まり」(三木美術館、2019/11/20~2020/2/16)レビュー

三木美術館で開催されている「吉祥 2020年代の始まり」(会期:2019年11月20日~2020年2月16日)に行ってきました。三木美術館は、兵庫県にある国宝・姫路城近くの美術館で、美樹工業株式会社の創業者・三木茂克のコレクションがベースになっています。今回の展覧会は、2020年が2020年代の幕開けに当たるため、素晴らしい10年になるようにとの願いを込めて開催されており、富士山や日の出、鶴など縁起の良いモチーフを扱った作品が展示されていました。

三木美術館「吉祥 2020年代の始まり」

 

この美術館では、2階が美術館の受付になっていて、そこでチケットを購入してから企画展が展示されている、3階と4階の展示室へとエレベーターで向かいます。そして、鑑賞後は一旦2階の受付へ戻ってから、別のエレベーターに乗り換えて1階に降りることになります。

 

3階の展示室には、隠崎隆一氏の陶芸作品が4点展示されていましたが、これは流石としか言いようのない出来栄えでした。素材の土感が心地よく、その美しい造形と相まって見事に調和していました。他にも、加藤卓男《紅白梅四方皿》や加藤土師萌《釉裏金彩竹波文茶盌》など、縁起の良さそうな作品が並んでいました。

 

絵画に関しても、日の出や富士山、鶴などを描いた作品を中心に展示されていました。4階の展示室に入ると最初に眼に飛び込んできたのが東郷青児の《花を摘む女達》でした。東郷青児ワールド全開の素晴らしい作品ですね。特に印象に残ったのが、那波多目功一氏の《湖上富士》と《白耀》でした。写実的でありながら、それにとどまらず神秘性をも併せ持つ作風が良いですね。

 

他にも、牧進《嘉日双鱗図》や橋本関雪《鶴》、前田青邨《日の出》、絹谷幸二《黄金富獄雲海》、横山大観《旭日静波》など、近現代の見どころのある作品が並んでしました。平日の鑑賞だったので、ほぼ独り占め状態でゆったりと楽しめました。姫路城見学に合わせて、手軽に優品を鑑賞することができる美術館ですね。尚、受付で申し込むと、屋上から姫路城の眺めを楽しむこともできます。

2019年12月09日|ブログのカテゴリー:2019年投稿, 展覧会レビュー