「フランスに生きた日本人画家 木村忠太の世界」(ヤマザキマザック美術館、2019/11/15~2020/3/8)のレビュー&感想

ヤマザキマザック美術館で開催されている「フランスに生きた日本人画家 木村忠太の世界」(会期:2019年11月15日~2020年3月8日)に行ってきました。ヤマザキマザック美術館は、工作機械メーカーのヤマザキマザックが運営する美術館で、創立者であり初代館長の山崎照幸が蒐集した18世紀から20世紀にわたるフランス美術300年の流れが一望できる絵画作品やアール・ヌーヴォーのガラスや家具等を所蔵・公開しています。

 

今回の展覧会は、フランスで活躍した画家・木村忠太(1917-1987)の作品を集めた展覧会になっています。36歳の時にフランスに移住した木村忠太は、風景画の抽象絵画に挑戦しています。そして、木村は、印象派の後半を担う“魂の印象派”の仕事を果たしているという強い自負があったようです。

 

展覧会では、木村の色鮮やかな油彩画や素描、リトグラフ、陶芸が展示されていました。展示室には、木村が残した言葉なども掲載されていましたが、非常に自信に満ち溢れた文章で綴られていて、ある意味で日本人的ではない欧米風の強い自己主張を感じました。

 

作品の印象としては、とにかく色使いが鮮やかで心地よい響きを感じました。フランスの風景を描いているようですが、抽象的に描いているのでそれが何を描いているか明確にわからないところもありました。解説を聞いて初めて、なるほどそういうことだったのか、と感じる部分もありました。風景から抽出した光を主体に描いているようです。ただ、そうした抽象絵画の中にも時折、具体的な姿形を描いている箇所も見受けられました。従来の後期印象派の画家たちとは異なるアプローチがなされた作品群となっています。

 

ヤマザキマザック美術館の5階の展示室では、最初に常設展示のスペースを通ってから、「木村忠太の世界」の展示室へと進みますが、この常設展示の内容が壮観でした。フランスのサロンを思わせる厳かな雰囲気を醸し出している展示室に、ロココ時代のヴァトーやブーシェ、フラゴナール、シャルダン、ランクレ、クルーズ、ヴィジェ=ルブランなどの錚々たる画家たちの作品が展示されていました。

 

さらに、無料で音声ガイドの貸し出しもあり、主だった作品の解説を存分に聞くことができました。初めて美術館に来られる方は、十分な時間を確保して来られると存分に楽しめる展示内容になっています。また、4階の常設展示室では、アール・ヌーヴォーの世界が堪能でき、エミール・ガレのガラス工芸やインテリア、ポール・アレクサンドル・デュマの家具などが展示されていました。往時の豊かなフランス文化を味わうことができる美術館になっています。

 

ショップコーナーでは、グッズ類も充実していて、図録類も様々なタイプが用意されていました。今回の「木村忠太の世界」の図録パンフレットは330円でした。他に「ロココの雅」パンフレットは220円、ヤマザキマザック美術館作品選は1,260円と、求めやすい価格設定になっていました。

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2020年01月15日|カテゴリー:2020年投稿, 展覧会