【感想】ゴッホ展記念講演会「ファン・ゴッホ、ハーグ、パリ… ―変革と反復―」(大阪大学教授・圀府寺司)に参加

2020年1月26日(日)に兵庫県立美術館で開催された記念講演会「ファン・ゴッホ、ハーグ、パリ… ―変革と反復―」に参加しました。講師は、大阪大学教授の圀府寺司(こうでらつかさ)氏でした。この講演会は、同美術館で開催されている「ゴッホ展」の関連事業になります。

 

講演会の内容は、当初の予定から少し変更があり、ハーグと糸杉に関する話となりました。ハーグというのは、オランダの北海沿岸に位置する都市ですが、講師から「このなかでハーグへ行ったことがある方?」という質問がありましたが、数名手が上がっていました。

 

やはり、ゴッホに興味がある方が聴講しに来られていることもあって、オランダに行かれている方もいるんですね。ハーグのすぐ近くには、フェルメールが生まれたデルフトという町もありますね。美術好きの方にとっては、見逃せない場所なのかもしれません。

 

講演会では、最初にハーグに関する話がありましたが、途中から糸杉に関する話題に移ります。そして、これが今回の中心テーマでもありました。まず、眠気覚ましとして、糸杉を描いた5枚の絵が示されて「この中に偽物がありますが分かりますか?」という質問が投げかけられました。その後、各聴講者が偽物だと思う作品に対して挙手することになりました。

 

意外とこれが難しいんですね。挙手している作品も人それぞれで、大きく分かれていました。特に、美術関係の方や学芸員の方々にとっては怖い質問だったと思います。幸い私が挙手した作品は偽物で正解でしたが、贋作を見極めることは実に難しいですね。

 

さらに、講演会ではゴッホが糸杉にどのような意味を込めていたのかという、実に学者らしいアプローチからの解説が続きました。象徴図鑑から紐解いたり、ゴッホの手紙から推測したりと、さまざまな考察がなされていました。また、ゴッホの糸杉を描いた作品には、三日月が描き込まれることが多いので、それとの関連にも触れられていました。

 

最終的に結論がでた訳ではありませんが、こうしたテーマで研究をしている学者もいるということですね。普段、大学生相手に話をされているだけあって、ウィットに富んだ楽しい講演会でした。

2020年01月31日|ブログのカテゴリー:2020年投稿, イベントレビュー