【感想】”延期になった展覧会”の紹介展&常設展「涼」(三木市立堀光美術館、2020/7/4~9/22)レビュー

三木市立堀光美術館で開催されている、”延期になった展覧会”の紹介展&常設展「涼」(会期:2020年7月4日~9月22日)に行ってきました。

 

”延期になった展覧会”の紹介展は、新型コロナウイルス感染症拡大防止のために中止や延期になった企画展の紹介展になっています。ここでは、各企画展の作品が数点展示されていました。

 

”延期になった展覧会”の紹介展

「柳本富子の足音」から4点
「木彫フォークアートおおやin三木」から5点
「小松原ケンスケ 個展 ~はじけるミクストメディア~」から6点
「こころのカタチ~日本画 雲丹亀利彦 展」から5点

 

柳本富子(1945~2018)さんの人物画は、その背景に特徴があります。《唯心》という作品では、民族衣装を着た人物の背景に大きな観音のような姿が描かれています。観音様に導かれつつ生きる若い女性を描いているのでしょうか。

 

「木彫フォークアートおおやin三木」からは、第18回公募展グランプリを受賞した《春》(長崎美希/作)が展示されていました。強烈な個性が観るものを圧倒する作品です。また、第2回公募展グランプリを受賞した《エスケープ》(西誠人/作)は、これが本当に木彫りなのかと驚かされる作品でした。

 

小松原ケンスケさんの作品は、様々な素材を用いて制作されたミクストメディアで、鮮やかな色彩が美しい仕上がりになっています。個人的には、《シュールでASOBUシャツ星人登場》というタイトルの作品が気に入りました。

 

雲丹亀利彦さんの作品は、色彩感覚の優れた抽象作品です。それが何を表現しているかは、タイトルから類推するしかありませんが、不思議な魅力を秘めた作品になっていました。

 

一方、2Fでは、常設展「涼」が開催されていました。こちらは、堀光美術館の所蔵作品や寄託作品が展示されています。向山裕子さんの《春潮》は、その淡い海景が心地よい気分にさせてくれます。堀光コレクションからは、堂本印象や山口華楊、奥村土牛、伊藤小坡、川端玉章、山元桜月、北村西望の作品が展示されていました。

 

三木市立堀光美術館は、鑑賞料金が無料ですので、お近くにお越しの際は気軽に鑑賞されると良いでしょう。ただ、初めて行くときは場所がわかりにくいと思います。本当にこんなところに美術館があるの? と思うような所にあるのでチャレンジしてみて下さい。

2020年09月04日|ブログのカテゴリー:2020年投稿, 展覧会レビュー