姫路市立美術館で開催されている、コレクションギャラリー「橋本関雪~人・動物・風景~」(会期:2020年9月5日~10月25日)を鑑賞しました。こちらは、姫路市立美術館が所蔵するコレクションの展示で鑑賞料金は無料です。
コレクションギャラリーは、受付から企画展示室に向かう通り道にありますので、思わずスルーしてしまう方が多いようですが、秀作が展示されていることが多いですので、見逃さないようにして欲しいですね。
今回は、橋本関雪の特集展示でした。橋本関雪(1883~1945)は京都画壇で活躍した画家ですが、四条派の片岡公曠や竹内栖鳳のもとで学んでいます。展示構成は以下のとおりでした。
モチーフ1 人物(5点)
モチーフ2 風景(4点)
モチーフ3 動物(5点)
「モチーフ1 人物」では、1914年の第8回文展で最高賞となる二等賞を受賞した《南国》が展示されていました。六曲一双の大型作品で、独特の雰囲気がありました。一方、個人的には仙女を描いた《摘瓜図》が気に入りました。不思議な魅力を湛えた美しい作品です。
「モチーフ2 風景」では、4点の作品が展示されていました。ここでは、《秋山吟客図》という作品が特に印象に残りました。独特の南画で、橋本関雪独自の画風と言えるでしょう。
「モチーフ3 動物」は、これぞ橋本関雪という動物画で、写実的でシャープさが特徴です。《薄暮》と言う作品では、コオロギを狙った狸が描かれていますが、見事な構図と表現です。狐を描いた《静宵》という作品もそうですが、橋本関雪の描く動物は、野性味があり真剣な眼差しが特徴です。
姫路市立美術館のコレクションギャラリーは、展示数はそれほど多いわけではありませんが、無料ながら「こんな作品を所蔵していたのか」と思うような良い作品に出会えることがしばしばあります。もしかすると、自分のお気に入りとなる作品に出会えるかもしれません。