神戸ファッション美術館で開催されている、特別展「デンマーク・デザイン」(会期:2020年9月19日~11月8日)に行ってきました。この展覧会は、デザイン大国として知られるデンマークのデザイン美を堪能できる内容になっています。
北欧インテリアとして、日本でもよく知られているデザイナーの巨匠たちが手がけた作品がこれでもかという感じで押し寄せてきます。シンプルながら機能性も備えた独特の美しさを体現したデザインを体感できます。
展覧会の構成は以下のとおりです。
第1章 国際的評価を得た最初のデンマーク・デザイン
第2章 古典主義から機能主義へ
第3章 オーガニック・モダニズム ― デンマーク・デザインの国際化
第4章 ポストモダニズムと現代のデンマーク・デザイン
第1章では、「デンマーク・デザイン」の出発点とも言える、皿を中心とした磁器類が展示されていました。何気なく目にしていたこのデザインが、デンマーク・デザインだったのかと改めて教えられました。
第2章では、コーオ・クリントの椅子やランプ、アーネ・ヤコブスンのテキスタイル(綿)などが展示されていました。1920年代から1940年代のデンマーク・デザインになります。
第3章は、この展覧会のメインに相当するところで最も展示数も多くなっています。ハンス・ヴィーイナやアーネ・ヤコプスン、フィン・ユール、ポウル・ヘニングスンといった巨匠たちの椅子やテーブル、ペンダント・ランプが心地よい空間を演出していました。丸みを帯びた横に広い椅子は、くつろぎ感だけでなく機能性も兼ね備えた美しさを醸し出していました。
他にも、ヤコブ・イェンスンによるオーディオ機器やイェンス・クヴィストゴーによるキッチン用品、ヘニング・コベルによるブローチ、カイ・ボイイスンによるサルの玩具など、広範なデザインの作品が展示されていました。
第4章では、1970年代から現代に至るデンマーク・デザインの流れが感じられるようになっていました。ここでは、デンマーク・デザイン博物館から来日した作品群をまとめて鑑賞することができます。自転車が3台展示されていましたが、明らかに日本製品とは異なるデザインでした。頑丈な造りと、しっかりした荷台が特徴的で、機能性が重視されたデザインという印象がありました。
デンマーク・デザイン製品は、手仕事による製作が重視されていることもあって、どこか温かみがあり心地よい気持ちに浸れる製品が多いように感じました。