【感想】「東アジア恠異学会20周年記念展示 吉兆と魔除け」(京都産業大学ギャラリー、会期:2021/2/24~4/14)レビュー

京都産業大学ギャラリーにて開催されている「東アジア恠異学会20周年記念展示 吉兆と魔除け」(会期:2021年2月24日~4月14日)に行ってきました。この展覧会では、「恠異」をキーワードとして、各分野からの研究者が集って学際的な研究を続けている学術団体・東アジア恠異学会によって、20年間にわたって研究されてきた、東アジアの「吉兆と魔除け」に関する文物が展示・解説されています。

 

展覧会は、京都産業大学むすびわざ館内の2階にあるギャラリーでひっそりと開催されていました。入り口で、全18ページのパンフレットが配布されていましたが、この資料はネットからも入手することができます。

⇒ 特別展「吉兆と魔除け —怪異学の視点から—」

京都産業大学ギャラリー東アジア恠異学会20周年記念展示 吉兆と魔除け

 

展覧会の構成は以下のとおりです。

怪異学と「怪異」
吉兆と祥瑞
白沢からクタベへ
祥瑞と年号
中国の魔除けとまじない
日本近世の魔除けとまじない
蘇民将来と疫病よけ

 

ただし、解説パネルはまとめて掲示されており、展示資料もそれとは別に順に展示されていました。

 

吉兆を意味する祥瑞(しょうずい)に対し、凶兆を意味する災異(災害、怪異)が存在しますが、どちらも希有な出来事ですので、その判別には困難が伴うようです。

 

実際、祥瑞の一種である神獣白沢(しんじゅうはくたく)の図が展示されていましたが、事前知識なしに、これだけを見て、吉兆か凶兆かを判別するのはほとんど不可能でしょう。こんな存在が目の前に現れたら恐怖心しかでてこないという異様な姿をしています。

 

他にも、白沢と混同されがちなクダン(件)に関する展示もありました。「まちがいない」という意味で用いられる「件の如し」の由来ともなった人面獣身の存在ですが、これは本来、予言的な存在だったようです。

 

展示内容は、資料が中心で、絵などはあまりありませんでした。ただし、一部の展示品を除いて、写真撮影が可能でしたので、後でじっくり振り返ることができます。入場料は無料ですので、「怪異」にご興味のある方は是非ご覧ください。

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2021年03月25日|ブログのカテゴリー:2021年投稿, 展覧会レビュー