【感想】「西洋画コレクション 印象派からエコール・ド・パリの作家たち」(BBプラザ美術館、会期:2021/3/23~5/30)レビュー

BBプラザ美術館で開催されている「西洋画コレクション 印象派からエコール・ド・パリの作家たち」(会期:2021年3月23日~5月30日)に行ってきました。この展覧会は、BBプラザ美術館が所蔵している西洋画コレクションから、印象派からエコール・ド・パリ、そしてその周辺作家たちの作品を中心に展示されています。

西洋画コレクション 印象派からエコール・ド・パリの作家たち

 

展覧会の構成は特にありませんが、次のような流れとなります。

印象派前夜
印象派
キュビスム
ムルロ工房
フォービスム
エコール・ド・パリ

 

展示室に入る前のロビーには、オプティカル・アートで知られるヴィクトル、ヴァザルリ(1906-1997)の斬新な作品が10点ほど展示されていました。オプティカル・アートというのは、略してオプ・アートとも呼ばれますが、錯視や視覚の原理を利用した絵画・彫刻のことです。

 

展示室に入りますと、オノレ・ドーミエ(1808-1879)の作品からスタートします。ドーミエは風刺画で有名な方ですが、やはりその独特のセンスが心地よく、面白いですね。そして、ルノワールの《薔薇をつけた少女》、《ルノワール夫人の胸像》などが続きます。

 

海外作家の作品としては、ロダンの彫刻《ネレイデス》、ヴラマンク《花瓶の花束》、シャガール《花束の前の母子》、マリー・ローランサン《読書》などがありました。

 

一方、日本人作家の作品では、色彩が美しい梅原龍三郎《カンヌ》《薔薇》、岡鹿之助《館》、東郷青児《モンパルナスの女》などが印象的でした。

 

BBプラザ美術館では、解説パネルで、作品の背景となるエピソードが紹介されることがありますが、今回もいくつか印象的なエピソードがありました。

 

梅原龍三郎は、ルノワールから「君には色彩がある。デッサンは勉強で補えるが、色彩は天性だ」と言われたそうです。また、ヴラマンクに自分の作品を見せた佐伯祐三は、彼から「アカデミック!」と言われてしまいます。勿論、これは厳しい批判として言われています。

 

さらに、藤田嗣治に紹介してもらったモデルに手を焼いた結果、以後、風景画を描くことになったと述べている岡鹿之助の面白いエピソードも紹介されていました。

 

他にも、坂本益男、網谷義郎、西村功などの作品や、今回の展示作家に関連する雑誌などの資料も幾つか展示されていました。

2021年05月27日|ブログのカテゴリー:2021年投稿, 展覧会レビュー