【感想】「花とアート展 ―花の戯れ・植物遊び―」(西脇市岡之山美術館、2019/4/14~7/21)レビュー

西脇市岡之山美術館で開催されている「花とアート展 ―花の戯れ・植物遊び―」(会期:2019年4月14日~2019年7月21日)に行ってきました。西脇市岡之山美術館では、西脇市出身の横尾忠則氏の作品や現代美術の作品を中心に展覧会が開催されています。美術館の外観は、ホームに停車している3両列車をイメージして設計されたと言います。

西脇市岡之山美術館花とアート展 ―花の戯れ・植物遊び―

 

今回の「花とアート展」では、花や植物に関係する絵画やドローイング(線画)、写真、立体が展示されていました。展示構成は以下の通りです。

 

<第1室>
山田脩二(やまだ しゅうじ)3作品
増田妃早子(ますだ ひさこ)7作品

<第2室>
寺門孝之(てらかど たかゆき)5作品
中山明日香(なかやま あすか)7作品

<第3室>
片山みやび(かたやま みやび)11作品
FUKE(ふけ)8作品

 

第1室では、写真家・山田脩二氏の作品が3点のみでしたが、渋い魅力を放っていました。一方、増田妃早子氏の作品では、瞑想的で淡い色彩がどこか懐かしい情景を思い出させてくれる作品「landscape24」が印象的でした。

 

第2室では、妖精を描いた寺門孝之氏の作品が展示されており、特に「NIGHT LILY PEARL」が個人的には気に入りました。さらに、植物と生活が一体化した中山明日香氏の作品は独特のタッチで描かれていました。

 

第3室では、片山みやび氏の作品とFUKE氏の作品が展示されていましたが、今回の展覧会では特に感銘を受けた作品群でした。まず、花をモチーフにした片山みやび氏の作品では、配色や構図、素材が変わるだけで、ここまで作品から伝わってくるイメージが変わるものかと、改めて思い知らされました。一方、FUKE氏の作品では、特に燐光シリーズの作品が秀逸で、幻想的で神秘的な美を湛えた植物の姿が見事に写真に収められていました。

アトリエ個展シリーズ 大西憲治展

 

アトリエでは、アトリエ個展シリーズとして、西脇市出身の大西憲治展も開催されていました。こちらは無料で閲覧できます。演劇とロックに人生を送ったという大西氏の作品からは、作品から音楽が聞こえてくるような錯覚に襲われる、あたかも音楽を絵画に翻訳したような作品が並んでいました。空き缶の一部が作品に取り込まれた独特な作風のコラージュでした。

 

2019年06月24日