展覧会の概要
福田美術館で開催されている「木島櫻谷 究めて魅せた『おうこくさん』」(会期:2021年10月23日~2022年1月10日)に行ってきました。この展覧会は、京都画壇を代表する木島櫻谷(このしま おうこく、1877-1938)の新出作品や文展・帝展出品作品など、貴重な作品を堪能できる内容になっています。
尚、この展覧会は嵯峨嵐山文華館との共催となっていますので、できれば両館の展示をご覧になることをお勧めします。


展覧会の構成
第1章 景年との出会い、開花した才能
第2章 画壇の頂点に、そして衣笠村へ
第3章 究めて魅せる現代画家
感想①「動物画の妙技」
木島櫻谷と言えば動物画が有名ですが、まさにこの展覧会でもその魅力が満開でした。今回、特に心惹かれた作品は、つぶらな目をこちらに向けながら首を傾け、大きな木で角を研いでいる鹿を描いた《角とぐ鹿》でした。
他にも、振り返った子鹿の姿が何とも愛らしい《細雨・落葉》も良いですね。この六曲一双の屏風作品は、1905年に開催された「木島櫻谷屏風展」に出品されて以降、所在不明になっていたそうで、今回約110年ぶりの公開だったようです。
感想②「弟・木島桃村」
この展覧会では、木島櫻谷の弟・木島桃村が猿を描いた《猿猴図》も通期展示されていました。木島桃村は櫻谷の3歳下の弟で、岸竹堂や菊池邦文に絵を学びましたが、残念ながら23歳の若さで亡くなっています。
この作品で観られる指を噛む猿の表情や毛並みの表現など、既にかなりの技量を持っていたことがわかります。もし長生きしていれば、兄弟で活躍していたことでしょう。

(木島桃村《猿猴図》部分)
感想③「たらしこみ技法」
私にとって、今回の展覧会で一番印象に残ったのは、装飾的な美しさが際立っていた作品《群芳之図》でした。八曲二双の大きな屏風作品ですが、画面いっぱいに華やかな草花が咲き誇っている様子が実に見事でした。
この作品は、木島櫻谷のパトロンでもあった四代目大橋松次郎のために制作された作品で、琳派でよく用いられる“たらしこみ”も観られますね。これは通期展示ですので、是非ご覧下さい。

(木島櫻谷《群芳之図》)
感想メモ
ミュージアムショップで、展覧会の公式図録(3,300円)も販売されていました。会場では写真撮影が可能ですので、図録の購入までは・・・という方もおられるかもしれませんが、やはり図録は良いですね。
福田美術館の場合、ミュージアムショップの位置が1階の奥にありますので、ミュージアムカフェを利用されない方には気づかれにくいという難点があります。来館者向けにもう少し宣伝しても良さそうに思いますが、奥ゆかしい商売をされているようです。
それに比べて、大阪にある「あべのハルカス美術館」のグッズコーナーは、さすがに商売の町だけあって力の入れようが段違いです。スペースの広さもさることながら、よくもこれだけグッズがあるものだと感心します。手ぶらでは帰さないという大阪魂を感じますね。
展覧会情報
木島櫻谷 究めて魅せた「おうこくさん」
会期:2021年10月23日(土)~2022年1月10日(月・祝)
休館日:火曜(祝日の場合は翌平日)
観覧料:1,300円(一般)
音声ガイド:無料(スマホアプリ利用)
写真撮影:可能
図録:3,300円
Web:福田美術館「木島櫻谷 究めて魅せた『おうこくさん』」