【感想】「山 -威風堂々- / 志野 -温もりのある白-」(三木美術館、会期:2021/12/1~2022/2/27)レビュー

展覧会の概要

三木美術館で開催されている「(絵画)山 -威風堂々-/(同時開催 陶磁器)志野 -温もりのある白-」(会期:2021年12月1日~2022年2月27日)に行ってきました。この展覧会では、富士山などの山を描いた絵画と、白が美しい志野などが展示されています。

三木美術館「(絵画)山 -威風堂々-/(同時開催 陶磁器) 志野 -温もりのある白-」三木美術館「(絵画)山 -威風堂々-/(同時開催 陶磁器) 志野 -温もりのある白-」

 

展示の構成

絵画:山 威風堂々
陶磁器:志野 温もりのある白

 

感想①「椿貞雄《富士山》が鮮やか」

絵画では、富士山を中心にさまざまな山を描いた作品が展示されていました。今回、特に印象に残ったのは、チラシの表紙にも採用されている椿貞雄(1896-1957)の《富士山》でした。この作品は椿貞雄の晩年の作品で、雪を戴く富士が青い線で縁取られ、周りの景色も青や黄、緑など鮮やかな色彩で彩られています。

 

岸田劉生に師事していた椿貞雄は、岸田劉生の「油絵という西欧伝来の画法を用いて日本人の心を描く」という言葉に共鳴していたと言います。一見、ひかえめに見える日本人ですが、心の奥には熱く燃えるような情熱や誇りを秘めているというメッセージが作品を通して伝わってくるようです。

 

感想②「白が美しい」

陶磁器は、林正太郎の《志野壺》から始まりましたが、淡いピンクと白の組み合わせが可愛いですね。続く、隠﨑隆一の《白盌》や《白酔器》は、白い釉が掛けられていて何とも心地よい色合いでした。

 

一方、今井政之《象嵌志野秋の聲水指》と《象嵌志野赫窯風船葛花瓶》では、茶色と黒の渋い色彩が実に風情がありました。ちなみに「象嵌志野」というのは、長石釉の下に文様を浮かび上がらせる技法で、今井氏はその第一人者ですね。

 

感想メモ

三木美術館では、今年も「干支ミニ置物プレゼントキャンペーン」がありました。今年は、来年の干支である“トラ”の置物でした。50個限定のキャンペーンですので、あっという間に終了したようですね。

三木美術館「干支ミニ置物プレゼントキャンペーン」(2021年)

 

展覧会情報

山 威風堂々/志野 温もりのある白

会場:三木美術館
会期:2021年12月1日(水)~2022年2月27日(日)
休館日:月曜日・火曜日(祝日の場合は開館)
観覧料:300円(一般)
音声ガイド:なし
写真撮影:不可
図録:なし
Web:三木美術館「山 威風堂々/志野 温もりのある白」
2021年12月10日|ブログのカテゴリー:2021年投稿, 展覧会レビュー