【感想】「うまれたての光 勝部梓 木彫展」(三木市立堀光美術館、2019/6/8~7/7)レビュー

三木市立堀光美術館で開催されている、企画展 「うまれたての光 勝部梓 木彫展」(会期:2019年6月8日~7月7日)に行ってきました。三木市立堀光美術館は、実業家の堀田光雄がそのコレクションを三木市に寄贈したことを機に1982年に設立されました。基本的に入館料は無料となっているので、誰でも気軽に観覧できます。

企画展「うまれたての光 勝部梓 木彫展」(三木市立堀光美術館)

 

今回の企画展「うまれたての光 勝部梓 木彫展」は撮影が許可されていました。勝部梓さんは、西宮市出身の女性彫刻家で、温かみのある作風が特徴です。2009年から2019年にかけて制作された全26点の作品が展示されていました。

 

今回の展示作品数を制作年別に分けると以下のとおりとなります。

2009年:1点
2011年:2点
2013年:7点
2015年:1点
2016年:2点
2017年:1点
2018年:6点
2019年:6点

 

今年制作されたばかりの最新作が6点も展示されていました。勝部さんは絵画や工作教室の講師も務めておられますが、最近は制作活動に集中されているとのことなので、今後どんな作品が生まれてくるか楽しみです。

 

彫刻作品を鑑賞すると、チラシ等の写真では伝わらない奥深い魅力があるものだと改めて感じました。クスノキのもつ独特の温かみと、作家の大らかで柔らかい心性が上手くマッチングした作品となっています。どこか懐かしさを感じさせる作風でありますが、一方で、写実的でかなり緻密な彫像作品でもあります。

 

今回の展示作品の中では、青いトンボが印象的な「夏至の雨」、チラシにも採用された「草原の母」、面白い表現が楽しい「海をだいてる」、思わず心が安いでしまう「あわ雪」、金網に止まるスズメたちが可愛い「立入禁止」、命を吹き込まれた亀の魅力が輝く「月光の囁き」、存在が癒やしそのものの「ひだまり」など、心を和ませてくれる不思議な魅力を持った作品が印象に残りました。

 

2019年06月30日