【感想】「やっぱり京都が好き ~栖鳳、松園ら京を愛した画家たち」(福田美術館、会期:2022/4/23~7/3)レビュー

展覧会の概要

福田美術館で開催されている「やっぱり京都が好き ~栖鳳、松園ら京を愛した画家たち」(会期:2022年4月23日~7月3日)に行ってきました。この展覧会では、近世から近代の京都画壇の作品を中心に、京都にゆかりのある絵画も展示されています。

福田美術館「やっぱり京都が好き ~栖鳳、松園ら京を愛した画家たち」福田美術館「やっぱり京都が好き ~栖鳳、松園ら京を愛した画家たち」

 

展覧会の構成

第一章:京都に生きる、京都に集う
第二章:京を旅する
第三章:京都に暮らせば

 

感想①「冨田渓仙」

円山応挙、竹内栖鳳、上村松園、横山大観に並んで、嵐山にアトリエを構えていた冨田渓仙の作品もまとめて鑑賞できました。

 

禅僧・仙崖や文人・富岡鉄斎を敬慕していた冨田渓仙らしく、その作風は自由闊達で、ほのぼのとした魅力があります。保津川下りを描いた《嵐峡前罷図》では、筏が流れる様子を上から眺めた視線で描かれていますが、手前にある木の幹の手前にも筏が・・・、細かいことにこだわってはダメなようです。

冨田渓仙《嵐峡前罷図》部分

(冨田渓仙《嵐峡前罷図》部分)

 

感想②「平山郁夫」

平山郁夫が京都の寺院などを描いた作品も4点展示されていました。こちらは写真撮影ができませんでしたが、寺院の一部と周囲の草木を合わせた構図は見事でした。

 

鑑賞者の想像を引き出し、その余韻を味わうことのできる構図になっていて、画面を通した見事な演出をされていますね。寺院の厳かな雰囲気もひしひしと伝わってきます。

 

感想③「老舗和菓子の包装紙と画家」

パノラマギャラリーでは、老舗和菓子と画家たちとのつながりが感じられる面白い企画も展示されていました。

 

ここでは、山元春挙、池田遙邨、西山翠嶂、菊池契月、富岡鉄斎、神坂雪佳たちが手がけた図柄を採用した包装紙や掛紙が展示されていました。京都の老舗和菓子にピッタリはまっているのは流石としか言いようがないですね。

福田美術館「やっぱり京都が好き ~栖鳳、松園ら京を愛した画家たち」

 

感想メモ

福田美術館では、スマホアプリを利用して全作品の解説を無料で聞けます。今回は、最初から全作品の解説を聞きつつ、写真撮影にも挑みました。鑑賞時間は2時間コースになりましたが、存分に楽しめました。

 

会場には、「もっと京都が好きになるMAP」と題した美しい大型パネルが掲示されていて、京都にゆかりのある画家たちの活躍が一目でわかるようになっていました。

福田美術館「やっぱり京都が好き ~栖鳳、松園ら京を愛した画家たち」

 

展覧会情報

やっぱり京都が好き

会場:福田美術館
会期:2022年4月23日(土)~ 7月3日(日)
休館日:火曜(G.W中は休まず開館、5/10、11は休館)
観覧料:1,300円(一般)
音声ガイド:無料(スマホアプリ利用)
写真撮影:可能
図録:なし
Web:福田美術館「やっぱり京都が好き」
2022年07月17日|ブログのカテゴリー:2022年投稿, 展覧会レビュー