【感想】「関西の80年代」(兵庫県立美術館、会期:2022/6/18~8/21)レビュー

展覧会の概要

兵庫県立美術館で開催されている「関西の80年代」(会期:2022年6月18日~8月21日)に行ってきました。1980年代には、70年代の禁欲的な作品から一転して、豊かな色彩やイメージに彩られた作品群が「関西ニューウェーブ」として登場しました。この展覧会では、兵庫県立美術館の前身となる兵庫県立近代美術館で開催された「アート・ナウ」展に出品された作品など、これら80年代の熱気溢れる時代の作品が展示されています。

兵庫県立美術館「関西の80年代」兵庫県立美術館「関西の80年代」

 

展覧会の構成

プロローグ 林檎と薔薇
1 フレームを超えて
2 インスタレーション―ニューウェーブの冒険
3 「私」のリアリティ―イメージ、身体、物語
4 「私」の延長に

 

感想①「70年代から80年代への変化」

プロローグで「林檎」と「薔薇」に関する作品が展示されていましたが、70年代から80年代への移行が非常によく分かる作例でした。

 

対象を描かないことで対象を表現している「林檎」と、その姿がどんどん変化していく「薔薇」とでは、まったく対照的な表現になっていました。禁欲的な作風から豊かな作風への移行として、とてもよく分かるプロローグになっていました。

北辻良央《WORK-RR2》

(北辻良央《WORK-RR2》)

 

感想②「80年代の特徴①」

80年代の特徴として、これまで常識とされてきたような表現形式に対する挑戦が始まっています。四角いキャンパスや、絵画や彫刻といった分類にもこだわらない作品が登場しています。

北山善夫《言い尽くせない》

(北山善夫《言い尽くせない》)

 

既存の殻を破ろうとする作家たちの挑戦が楽しいですね。これらの運動も、70年代の禁欲的な時代があったからこその跳躍だったのかもしれません。

(杉山知子《the drift fish》部分)

(杉山知子《the drift fish》部分)

 

感想③「80年代の特徴②」

80年代のもう一つの特徴として、社会問題をテーマにした作品より、私的でより純粋なテーマの探求に興味が持たれていたようです。

(池垣タダヒコ《series "old melancholy"「胡鯨」》他)

(池垣タダヒコ《series "old melancholy"「胡鯨」》他)

 

ここでは、KOSUGI+ANDO《芳一-物語と研究》という、一風変わったインスタレーションが展示されていました。1987年版と比べて、2022年版では幾分構造物の間隔が狭められて展示されていますが、これは展示空間に合わせて表現するインスタレーションならではの試みとなっています。

KOSUGI+ANDO《芳一-物語と研究》(部分)

(KOSUGI+ANDO《芳一-物語と研究》部分)

 

感想メモ

展覧会では、大抵、章ごとに大きな解説パネルが設置されています。会場ではそうした解説を読みながら鑑賞するわけですが、不思議とその内容が頭に残りません。一方、音声ガイドのような音声はよく記憶に残っています。

 

これは、もしかすると絵を観るときに右脳を中心に使っているせいで、左脳が上手く働いていないためなのかもしれません。自宅に帰ってから写真をもとに解説を読むと非常によく理解できますので、何とも不思議です。

 

展覧会情報

関西の80年代

会場:兵庫県立美術館
会期:2022年6月18日(土)~8月21日(日)
休館日:月曜日(ただし7月18日[月・祝]は開館、 19日[火]休館
観覧料:1,500円(一般)
音声ガイド:なし
写真撮影:可能
図録:1,500円(予約販売)
Web:兵庫県立美術館「関西の80年代」
2022年08月15日|ブログのカテゴリー:2022年投稿, 展覧会レビュー