【感想】「コレクション特集展示 ジャコメッティとⅠ」(国立国際美術館、2019/5/25~8/4)レビュー

国立国際美術館では「抽象世界」と同時に、コレクション特集展示「ジャコメッティとⅠ」(会期:2019年5月25日~8月4日)も開催されていました。この特集展示は、国立国際美術館が2018年にアルベルト・ジャコメッティのブロンズ彫刻「ヤナイハラⅠ」を収蔵したことを記念して開催された企画です。

国立国際美術館「ジャコメッティとⅠ」

 

ジャコメッティの作品に関しては、国立国際美術館が所蔵している「男」以外に、神奈川県立近代美術館や石橋財団ブリヂストン美術館、富山県立美術館、国立西洋美術館などの外部の美術館からも作品を借りて開催されています。展示は全部で8室から構成されていました。

 

展示室1:セザンヌやピカソ、藤田嗣治など、当美術館が所蔵している名作が展示
展示室2:ザッキンや舟越保武、佐藤忠良、荒川修作など、彫刻や立体作品が展示
展示室3:アンリ・ミショーや白髪一雄、元永定正、吉原治良などの作品が展示
展示室4:当美術館所蔵のジャコメッティ作品2点が展示(展示室4のみ撮影可)
展示室5:ジャコメッティのデッサンや下書きが展示
展示室6:ジャコメッティと矢内原伊作の書簡や手帳、写真が展示
展示室7:石井茂雄、泉茂、三木富雄、鶴岡政男などの作品が展示
展示室8:菅井汲、田淵安一の作品が展示

 

特集展示と銘打っているだけあって、ジャコメッティに焦点を当てつつ、様々な関連作品が展示され充実していました。音声ガイドは、「抽象世界」とセットになって収録されており、展示室6では矢内原伊作の講義ビデオ「アルベルト・ジャコメッティについて」も上映されていました。

 

ジャコメッティが哲学者・矢内原伊作をモデルにしたブロンズ彫像で完成に至ったのは2点のみだと言われ、そのうちの一点が今回の所蔵になっています。今後も国立国際美術館の目玉作品のひとつになることは間違いないでしょう。

<公式ガイドブック>

国立美術館ガイド4 では、大阪屈指のオフィス街、中之島で、ユニークな存在感を放っている完全地下型美術館、国立国際美術館を紹介。主に1945年以降の作品を、世界各地から収集。なんとその数、約8,000点。ひときわ目をひく銀色のワイヤーフレーム。竹を編んだような柔軟さと開放感を持つ、このエントランス・ゲートからいざ地下へ。国内最大級の現代アートコレクションは、常に新鮮な魅力でいっぱいだ。(アマゾンの内容紹介より)



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2019年08月01日