【感想】「星とアート展-星を忘れない。天空のイメージ-」(西脇市岡之山美術館、2019/8/4~12/1)レビュー

西脇市岡之山美術館で開催されている「星とアート展-星を忘れない。天空のイメージ-」(会期:2019年8月4日~12月1日)に行ってきました。

西脇市岡之山美術館「星とアート展-星を忘れない。天空のイメージ-」

 

今回の展覧会は、前回開催された「花とアート展-花の戯れ・植物遊び-」の続編のような立ち位置になるのでしょうか? ここで、作品の出品者を比較してみると次のようになります。

 

◆「花とアート」展
山田脩二、増田妃早子、寺門孝之、中山明日香、片山みやび、FUKE

◆「星とアート」展
勝俣隆、幸村真佐男、中山明日香、増田妃早子、寺門孝之、片山みやび

 

こうしてみると、4名の方が両展覧会に出品されていることがわかります。逆に言えば、「花」や「星」というテーマは作家にとってもインスピレーションを受けやすいテーマなのかもしれせん。

 

第1室では、勝俣隆さんと幸村真佐男さんの作品が展示されていました。勝俣隆さんは日本古来の星座神話の研究をされている国文学者で、星の神話をテーマにしたドローイングが展示されており、美術館での展示は初めてということでした。一方、幸村真佐男さんは、太陽の軌跡を表現した「Suntrail(沈まない太陽)」シリーズの映像作品と、美術館の近くにある日本へそ公園を背景に撮影した大型の美しい写真が展示されていました。

 

第2室では、中山明日香さんと増田妃早子さんの作品が展示されており、室内は夜空をイメージしたかのような演出がなされていました。若干解説パネルが読みにくかったのですが、それ以上に雰囲気が出ていました。中山明日香さんは、室内と星空が重なり合ったような不思議な作風が特徴でした。展覧会のチラシにも採用されていて、前回の「花とアート」展の作品より印象深い作品になっていました。青いソファと星空が融合した作品は美しく幻想的でした。一方、増田妃早子さんは、淡い色彩と星座が融合した作品が展示されており、「illuminated tree」のシリーズは、独特な手法で制作されたようです。

 

第3室では、寺門孝之さんと片山みやびさんの作品が展示されていました。寺門孝之さんは、色彩が美しい「朝顔、夕顔」という作品と、ブルーを基調としたシンプルながらも心地よい作品が並んでいました。一方、片山みやびさんのガラスを使った作品は配色と造形が美しく、前回の「花とアート」展と同様に、期待を裏切らない作品が並んでいました。

 

2019年08月05日