【感想】上映会「ルート・ブリュック 蝶の軌跡」(伊丹市立美術館、2019/9/29)に参加!

伊丹市立美術館と伊丹市立工芸センターで開催されている「ルート・ブリュック 蝶の軌跡」に合わせて、上映会「ルート・ブリュック 蝶の軌跡」も開催されていましたので参加してきました。上映会は、展覧会の観覧券を持っている方が対象で、伊丹市立美術館の1階講座室で、11時から16時まで1時間おきに開催されていました。上映時間は約50分で、日本語の字幕付きの映像でした。

 

尚、1階講座室前の美術館ロビーには、ルート・ブリュックの長女マーリア・ヴィルカラによるタイル作品《心のモザイク -ルート・ブリュック、旅のかけら》(2019年)が展示されていました。これは、ルート・ブリュックが遺したタイルを使って、現代アーティストである長女のマーリア・ヴィルカラが、ルート・ブリュック生誕100周年記念展(エスポー近代美術館)で展示した《心のモザイク》(2016年)の日本バージョンになります。

 

◆マーリア・ヴィルカラ《心のモザイク -ルート・ブリュック、旅のかけら》(部分)

マーリア・ヴィルカラ《心のモザイク -ルート・ブリュック、旅のかけら》(一部)

 

上映された映像の内容は、ルート・ブリュックの家族や友人へのインタビューを通して、ブリュックの仕事や人生をたどるというものでした。どこか淋しげなBGMのもとで進行していくドキュメンタリー映像で、ヘルシンキのカレリアに引っ越した子供時代から、両親の離婚や本人の結婚など、様々な人生模様のなかでどのように仕事がなされていったかがよく分かる内容でした。展覧会を鑑賞する前に観ておくと、作品の背景がよくわかって満足度も高くなると思います。

 

印象に残ったブリュックの言葉に、「自分の作品の解説をしたくない」というものがありました。言葉で表現してしまうと、その言葉に縛られて作品の本当の魅力が伝わらなくなってしまうから、ということでした。確かに、作品の魅力を言葉で表現しようとしても明らかに限界があります。

 

特に、作家自身が言葉で表現してしまうと、鑑賞者はその言葉に縛られてしまうことは間違いないでしょう。各々の鑑賞者が自由に作品を鑑賞し、それぞれ異なる感動を得たとしても、それらはすべてが事実であり正解なのでしょう。

<公式図録>

日本初の大規模展「ルート・ブリュック 蝶の軌跡」の公式図録です。1940年代から80年代にかけての約200点の作品図版を通じ、愛らしい描写、重厚かつエレガントな釉薬の輝き、独自の自然観が生み出す繊細な図や形を紹介。(アマゾンの内容紹介より)



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2019年10月03日|ブログのカテゴリー:2019年投稿, イベントレビュー