神戸市立小磯記念美術館の目玉となる特徴のひとつに、生前の小磯良平のアトリエをそのまま美術館の中庭に移築・復元させているという点が挙げられます。
小磯良平は、1945年の神戸大空襲で被災し、何度か転居を繰り返しながら、1949年に現在の神戸市東灘区住吉山手に住居とアトリエを新築します。その後、このアトリエから40年近くにわたり数多くの作品が生み出されることになります。
やがて、小磯の没後、遺族から自宅に残されていた油彩やデッサン、版画、挿絵原画、画材などがアトリエと共に神戸市に寄贈されました。これらを元に小磯記念美術館が設立されることになります。
アトリエは慎重に解体され、美術館の中庭に移築・復元され、当時の仕事の様子がわかるようになっています。美術館では、この復元されたアトリエが随時鑑賞できるようになっており、毎日、午前と午後にインフォーメーション・スタッフによる解説があります。
私が行ったときは午後の3時から開催されていたので、さっそく参加してみました。復元されたアトリエのなかで、展覧会で展示されている絵の写真やアトリエを実際に眺めながら解説してもらえます。
アトリエの作業場そのものの中には入れませんが、入り口から中を覗くことができるようになっています。絵の具で山盛りになったパレットやイーゼル、椅子、本棚などが置かれ、当時の様子を忠実に再現しているようです。
絵の具で汚れた床板も、一枚一枚番号を振って剥がされ、忠実に復元されたと説明されていました。小磯作品に出てくるリュートや時計などのアイテムも置かれており、アトリエを観ることで作品がより身近に感じられるようになりました。
解説の時間は約20分位で、鑑賞券があれば無料で参加することができます。以下のFacebookの投稿記事は私が参加した時のものではありませんが、参考までに載せておきます。